貿易収支と株価の関係
貿易収支 ポイント解説
- 財貨(物)の輸出入の収入と支出のこと
- 貿易黒字→円高→株安
- 貿易赤字→円安→株高
- 今後も赤字が続く見込み
貿易収支 ディテール解説
- 発表時期
毎年1月に財務省から発表される
https://www.customs.go.jp/toukei/info/
- 為替・株価に与える影響
貿易黒字→円高→株安
なぜ?
貿易黒字→相手国から受け取る外貨増加→外貨を円に換える(外貨売り、円買い)→円高圧力
みんなが欲しいもの→高くても売れる(円高)
例:プレステ5は人気急増し、品薄状態に。中古品でも定価より高く売れた。
欲しい人が少ないもの→価格は安くなる(円安)
例:土地価格は都心部より郊外のほうが安くなる傾向がある。
貿易赤字→円安→株高
なぜ?
貿易黒字の逆。円売りドル買い圧力のため。 - 変わってきた貿易収支と為替レートのサイクル
過去
円安になると、海外では日本製のモノの価格が下がるため売れやすくなる結果、輸出量は増加する。
現在
円高対応で海外生産にシフトした結果、「円安→輸出増」のサイクルがうまれなくなった。
さらにデフレの影響で食品やエネルギー価格が高騰しても、円安だからと生活必需品の輸入を止めることができないため、円安と貿易赤字の進行に歯止めがかからないようになっている。円安=輸出好調という時代ではない。
貿易黒字・貿易赤字とは
・貿易黒字 = 輸出額が輸入額を上回る状況
・貿易赤字 = 輸入額が輸出額を上回る状況 - 貿易黒字の要因
輸入量低下による黒字
・資源価格下落の場合、輸入量が減少する - 貿易赤字の原因
輸入コスト増加による赤字
・円安の場合、輸入する際に支払うお金が増える
2022年は日米金利差による円安ドル高となった。
・資源高の場合、エネルギー価格が高騰し支払うお金が増える
2022年はロシアウクライナ問題による、エネルギー価格が高騰した。日本は食品自給率が低く、エネルギーも原発停止の影響で輸入が多い。これらは必需品であるため、高いから買わないという選択にならず、輸入コストが高くても輸入をせざるを得ない。 - 貿易収支
②2015年に引き続き、資源価格が下落したことにより、輸入額が大幅に減少し、6年ぶり黒字。
③日本製品の競争力低下、生産拠点の海外移転、世界貿易量の縮小により赤字。
④ロシアウクライナ問題による資源高と、日米金利差による歴史的な円安に伴い大幅赤字。 - 輸出伸び悩みによる赤字
・輸出シェアの低下
・日本はIT産業後進国(米国5強GAFAM、中国4強BATH、日本0強)による日本製品の競争力低下
・中国を始めとするアジア諸国が世界の工場として台頭や、国内製造業の海外生産シフト
・世界貿易量の縮小
・物価変動 - 輸出入総額の推移
輸出は自動車、鉱物性燃料等が増加し、対前年比+18.2%の増加となった。
輸入は原粗油、石炭等が増加し、+39.2%の増加となった。
その結果、差引額は▲19兆9,713億円となった。
<輸出入額の水準>
・輸出 過去:1位
・輸入 過去:1位
・差引 過去:44位
- 輸出入額が過去1位の原因は円安
円安になれば、動くお金が大きくなるからです。
例:1ドル100円が150円になれば、1万ドルのものを輸入するにも100万円→150万円になるので、円で見る輸出入額は増える。