NT倍率と株価の関係
NT倍率とは
- 日経平均をTOPIXで割った指数(日経平均株価÷TOPIX)
- 「N」は日経平均株価、「T」はTOPIXのことで、日経平均株価がTOPIXの何倍であるかを表したもの
- 両指数間の相対的な強さを示している
- TOPIXより日経平均株価が強ければ上昇する「NT倍率」
日経平均の上位銘柄がTOPIX寄与度上位にランクインしない理由
- TOPIXは時価総額が大きくても浮動株が少ないと構成ウエイトが小さくなる
- ソフトバンクは1銘柄で日経平均全体の4.4%を占めている
- ただし、孫正義氏の持ち株比率が34%と多く、浮動株が少ないためTOPIXのウェイトが低めになっている
日経平均とTOPIXを割る理由
- 日経平均は225銘柄を除数で調整した株価平均型の指数
=株価の高い値がさ株の影響が強い - TOPIXは東証一部全上場銘柄の浮動株基準の時価総額加重平均の指数
=浮動株が多く時価総額の大きい銘柄の影響が強い - このように計算方法の違いによって銘柄構成が異なることから、日経平均とTOPIXの動きに乖離が生じる
- 上昇相場でも常にどの銘柄が上昇するわけではなく、一部の銘柄しか上昇しない上昇相場もある
①相場全体が上昇基調→日経平均とTOPIXは同じように上昇
②値がさ株だけが上昇→日経平均だけ上昇(ハイテク株・外需株など)
③浮動株だけが上昇→TOPIXだけ上昇(大手銀行株・中低位株)
このように、上昇相場といってもその中身は様々で、その時々のテーマなどに応じて特定の業種・銘柄だけが大きく上昇し、その他の銘柄は上昇力が乏しかったり、逆に下落してしまうことがある
こうした市場のトレンドを測るときに利用される指標として「NT倍率」がある
※値がさ株・・・株価の高い株
※浮動株・・・売買される可能性の高い株
※加重平均・・・値の重みを加味して平均する方法
例)100円で1,000株、200円で2,000株、300円で3,000株で同銘柄の株式購入
加重平均→(100*1,000+200*2,000+300*3,000)÷(1,000+2,000+3,000)=233
単純平均→(100+200+300)÷3=200
NT倍率が上昇する理由
- NT倍率が上昇しているときは、日経平均の上昇率がTOPIXの上昇率より高いことを示す
- 値がさ株や輸出関連株などの外需株が強いと日経平均が相対的に上がり、NT倍率も上昇する
NT倍率で株式分析をする
- 倍率が上昇→大型株が買われず、小型株、値がさ株が戻している
- 倍率が下落→値がさ株中心に売られている
- TOPIXが動かない→時価総額の大きい株が買われてない時で相場の弱い時に現れ
- 今はハイテク株が優位(=NT倍率上昇局面)なのか、内需関連株が優位(=NT倍率下落局面)なのかが分かる
- 最も注目すべきは、横ばいだったNT倍率が上下どちらかの方向に動き始めたり、下落を続けていたNT倍率が反転上昇したり、上昇を続けていたNT倍率が反転下落したりする場合
このとき、株式市場での物色対象が大きく変化することが多く、それを早めに感じ取り、株価が大きく動いている銘柄からその時々の株式市場でのテーマを予想する